ぼくたちは勉強ができない
――するとどこかで、ふしぎな声が、銀河ステーション、銀河ステーションと云(い)う声がしたと思うといきなり眼の前が、ぱっと明るくなって、まるで億万の蛍烏賊(ほたるいか)の火を一ぺんに化石させて、そら中に沈(しず)めたという工合(ぐあい)、また…
「アルビレオの観測所って」 成幸くんの問いかけ声で、わたしは我に返った。 いつの間にか列車は走りだし、星の河に沿って進んでいる。「ここだよ」 手紙に抱いた疑問をいったん脇に置き、わたしは銀河鉄道の路線図の真ん中あたりを指差す。「アルビレオはね…
※週刊少年ジャンプ第38号のアオのハコ第113話を題材にしたお話です。 「ふぅ……また夜更かし、しちゃった」 呟いて、蛍光灯の下、午前三時を指した時計からわたしは目を外す。 はじめはレポートをしていたような。それから音楽を聞いて、動画を見て、お洋服を…
※七夕をテーマにした、台詞だけで構成した小話です。「お母さんあのね! 宇宙には、ワイン500本のお酒がふきだす星があるんだって!」 「まぁ」 「その星に行ったら、お父さんもお母さんも毎日かんぱーいってできるね!」 「そうね、助かるわね」 「あとねあ…
理珠と紗和子が見つめるお昼寝の主は……
これは、無限の可能性の中の、ある星のお姫さまの物語。
夜空の下、少女達は答えを待つ。あくまでも、いつも通りの自分で。
文乃の父からの電話に、恋物語は加速していく。そこに涙は似合わない。
ついに恋心を明かした文乃。それは親友、そして思いもよらぬ人物の告白をも呼び起こすのだった。
卒業旅行に行った文乃。熱で倒れた成幸の看病が、その心をさらにかき乱していく。
成幸を買い物デートへ誘った文乃。が、この舞台にいるのは二人だけではなかった。
親友の言葉が、文乃をもう一度歩ませる。彼女の願いの叶う場所へと。
さぁ、手を出して。 行こう。この星の、願いが叶う場所へ――
夜空を見上げに来た文乃と理珠。だが、今日の理珠の様子はいつもと違って……。
ぼく勉の理珠とうるかの誕生日に関する一考察です。
虫の音が、りりりと鳴って。 窓はしまってるのに、鼻の奥に、外のキンモクセイの香りがする。 腰を下ろしたラグの上から俺は、ベッドの上で、あどけない顔をして眠る文乃を眺める。 ずっと繋ぎっぱなしで、しっとりとした手を組み替えようとして。 幸せなそ…
突然ですが、告白してもよろしいでしょうか~? 鹿島は問いかける。心に描く、大切な人へ向かって。